水難除けの「黒い木片」。助かる代償は家族の渇き

海岸に漂着する、炭のように黒い木片。

もしこれを見つけても、決して拾ってはいけません。

一部の収集家の間では、これは太古の昔に砕け散った「ノアの方舟」の残骸(ゴーファーの木)だと言われています。

世界を飲み込む大洪水に耐え抜いたその木片は、最強の「水難除け」のお守りになります。

持っているだけで、どんな海難事故に遭っても、あなただけは奇跡的に助かるでしょう。

しかし、その代償は凄まじいものです。

この木片は、周囲から「水分」を極端に奪い取る性質があるのです。

家に持ち帰れば、観葉植物は一晩で枯れ果て、ペットは原因不明の脱水症状で衰弱死します。

そして次は、同居する家族の肌がひび割れ、癒えない渇きに苦しむことになるでしょう。

自分だけが助かり、周囲が滅びていく。

それはまさに、方舟に乗ったノアが味わった「孤独」の追体験なのです。