砂漠で発見された溺死体。「見えない海」の呪い

一滴の水もない砂漠の真ん中。

そこで発見された遭難者の死因が、脱水症状ではなく「溺死」だったとしたら、信じられますか?

検死の結果、肺は海水で満たされていたそうです。

都市伝説によれば、ある特定の砂丘の谷間では、新月の夜だけ「太古の海の記憶」が蘇ると言われています。

かつてそこは海底でした。

夜中になると、目には見えない「幽霊の海」が音もなく満ちてくるのです。

ここでテントを張ってしまった旅人は、夢の中で冷たい水に包まれる感覚を味わいます。

そして現実の肉体も、呼吸ができなくなり、見えない水に溺れて命を落とすのです。

現地のガイドが「夜、低地にキャンプを張るな」と忠告するのは、鉄砲水への警戒だけではありません。

この「見えない海」に飲み込まれないためなのです。