深夜の“洗浄”

「眠らない街」(新宿・歌舞伎町など)や「北口の迷宮」(池袋西口など)の雑居ビル。その深夜、エレベーターが特定のフロアで止まり、謎の清掃業者が降りてくるのを見たという話がある。

彼らが掃除したフロアは、数日後に必ずテナントが入れ替わる。それも、急な夜逃げや、警察沙汰になる直前のトラブルがあった後に。 噂によれば、彼らはただの清掃業者ではなく、ビルの「本当のオーナー」に雇われた「痕跡消し」のプロ。違法な営業や、表沙汰にできないトラブル(傷害、あるいはそれ以上)のあらゆる証拠を、警察が介入する前に化学薬品レベルで完璧に消し去るのだ。

彼らが使った後の廊下は、消毒液の匂いに混じって、独特の甘ったるい薬品臭がするという。

それは、この街の“汚れ”を文字通り洗浄した匂いなのだ。